種
昨夜はキッチンが終わってから展示の設営。
事務所にモノを取りに行くと銀次親分は段ボールベッドで
またまたTシャツ掛けられて寝ておられました @22:30

蔵の二階で作業していると、「カメラ持ってすぐ来てー」と
ナオトさんが呼ぶ声 @23:00
なんでしょう、花沢さんでも来たのかしら、と降りますと、

アラマ! 見事にTシャツ掛けたまま階段を降りて来たようです。[前回]
お客さま方にゲラゲラ笑われながらも店内を闊歩。

そして落ち着く。店内ゲラゲラです。

あっしはまだ作業中なんで、蔵に戻りますー

親方、応援ありがとうございます。
今回もカンちゃんが大いに手伝ってくれています。

見回り点検&応援。

引き続き、がんばりまーす。

銀さんもそのままがんばってくださーい

その後も作業は続き、銀さんは通りの見張り。

完成〜 @3:30
銀さんその調子で在廊学芸員、お願いしますね。

片付けもして、朝4時に解散。
展覧会も久々なので、朝まで作業も久々でした。老体に堪えます。
以前はこれを毎月やっていたわけだ。
明日から始まる『石巻 SUNLIGHT』、アーティストのリチャードは
このブログにも何度も登場し、銀さんともなかよしです。
現在はビザの関係もあって本国に戻っていますが、私はもともと
彼がいてもいなくても、この展示をするつもりでした。
7月下旬、一命を取り留めたものの体の硬直が激しかった
れんちゃんのことをリチャードへのメールに書いたところ、
「れんちゃんの暗闇に光が射すように」と彼が返事に添えてくれた
6枚の写真は、石巻の丘の上から撮影したものでした。
やさしい光が溢れるその光景は、場所を言われなければどことわからず、
それはそれは美しく、夢の中のようで、
私はメールを開いたままあたたかい涙に包まれていました。
「これがあなたの見た被災地… まるで夢の中みたいにやさしくてきれい。
これプリントしてお守りにするね」 と書きながら、
「みんなにも見せたい〜 まず石巻のヒトたちに〜」という気持ちが
ムクムクと生まれた。
もしも私の故郷が誰かの目にこんなふうに見えるとしたら、
それはとてもうれしいことだな… と思ったから。
そしてなにより、この場所に行ってみたい、と思ったから。
ただその想いだけで出会う「石巻」と、何かが始まるだろうか?
そこではどんなヒトたちが、何を必要としているんだろう?
言葉の通じないリチャードが、縁を紡ぐことだけを頼りに石巻にいて、
こんなすてきな秘密の場所に連れて来てもらったりしている。
どうしたらそんな風に、見知らぬ土地に寄り添うことができるのだろう。
私には、何ができるのだろう?
リチャードの次の返事には、こうありました。
「きみがそう言ってくれたことで、この写真が違って見えて来たんだ。
この写真はぼくのものではなくて、石巻の人たちと土地のものなんだ」
そしてその日、偶然にもこの丘の上で毎月11日の14:46に祈りを捧げている
お坊さんと出会い、他の地元の人たちとともに写真を見ていただいたところ、
みなさんが「自分の故郷なのに違って見える」とおっしゃったそうです。
「種を植えてくれてありがとう。育てていけたらいいね」
とリチャードは言った。
その頃こちらではイッコさんたちと、福島の梨農家の方のお話を聴く会を
どのように開催するかの議論の真っ最中で、リチャードにもアドバイスを
もらったりしながら石巻の話も同時にしていた。
そのうちに自分でも、「ここでやるんだな、やりたいんだ」と確信していった。
ビザが切れるからそろそろ帰らないとならないのは聞いていたので、
「今度いつ日本に来るの? 来年のそのときにやろうか」と訊くと、
リチャードの答えは「実は、少しでも早い方がいい」というものだった。
アスベストを含んだ大量の瓦礫の問題、先の見えない仮設住宅のこと、
ともかく行政が「何も動かない」ことから生まれている数々の大問題、
ヒトビトの心に重くのしかかっている停滞感。
その「何も進まない」感じを少しでも解消するために、せめて自分たちは
「いつか」を待たず前に進みたい、動いていたい、
何かが動いているのだということを見てもらいたい、と彼は言った。
エフで展覧会を開催するのは、震災直前の2月のポーレの写真展以来になる。
震災の影響も含め、私の心もずっと動けずにいた。
私にとって、ポーレとリチャードは似ている。
傷ついたヒトたちへの寄り添い方、言葉が通じなくても寄り添える、
たった一人から始めて次第に多くの人を巻き込んでゆく、そのふしぎな力。
アーティストだからこそ越えてゆける、様々な境界線。
それが、私も信じていたアートの力だった。
リチャードとの流れの中で初めて私も「これをやりたい。ささやかでも、
これが私にできることの一つだ」と思うことができた。
なので、何かを育てるという効果は双方にあったと言える。
彼がここにいて、お客さまとも触れ合えたらなおよかったですが、
彼にもふたたび石巻に戻るために今やるべきことがたくさんあります。
同じ方向を見つめながら、彼は彼のできることを、
私は私にできることを、それぞれにやる。
ポーレに思っていることと、これも同じです。
美術でも音楽でも、本来ヒトの心に寄り添うもののために予算が下りて、
これが立派に石巻で展示されて、たくさんの方が観に訪れてくれるなら
何よりだと思います。
でもご存知のように復興のための予算は被災地に届いていません。
それでも、私たちにもできることがあって、
まだ始まっていない出会いがあるから。
この展覧会の売上の一部は、津波で被害を受けた旧石巻ハリストス正教会教会堂の
修復のために寄付いたします。
そのつながりについてはまた別の日にご紹介します。

ご来場お待ちいたしております。
Gallery ef, Asakusa, Tokyo
旧ブログ『今週の銀次親分』
事務所にモノを取りに行くと銀次親分は段ボールベッドで
またまたTシャツ掛けられて寝ておられました @22:30

蔵の二階で作業していると、「カメラ持ってすぐ来てー」と
ナオトさんが呼ぶ声 @23:00
なんでしょう、花沢さんでも来たのかしら、と降りますと、

アラマ! 見事にTシャツ掛けたまま階段を降りて来たようです。[前回]
お客さま方にゲラゲラ笑われながらも店内を闊歩。

そして落ち着く。店内ゲラゲラです。

あっしはまだ作業中なんで、蔵に戻りますー

親方、応援ありがとうございます。
今回もカンちゃんが大いに手伝ってくれています。

見回り点検&応援。

引き続き、がんばりまーす。

銀さんもそのままがんばってくださーい

その後も作業は続き、銀さんは通りの見張り。

完成〜 @3:30
銀さんその調子で在廊学芸員、お願いしますね。

片付けもして、朝4時に解散。
展覧会も久々なので、朝まで作業も久々でした。老体に堪えます。
以前はこれを毎月やっていたわけだ。
明日から始まる『石巻 SUNLIGHT』、アーティストのリチャードは
このブログにも何度も登場し、銀さんともなかよしです。
現在はビザの関係もあって本国に戻っていますが、私はもともと
彼がいてもいなくても、この展示をするつもりでした。
7月下旬、一命を取り留めたものの体の硬直が激しかった
れんちゃんのことをリチャードへのメールに書いたところ、
「れんちゃんの暗闇に光が射すように」と彼が返事に添えてくれた
6枚の写真は、石巻の丘の上から撮影したものでした。
やさしい光が溢れるその光景は、場所を言われなければどことわからず、
それはそれは美しく、夢の中のようで、
私はメールを開いたままあたたかい涙に包まれていました。
「これがあなたの見た被災地… まるで夢の中みたいにやさしくてきれい。
これプリントしてお守りにするね」 と書きながら、
「みんなにも見せたい〜 まず石巻のヒトたちに〜」という気持ちが
ムクムクと生まれた。
もしも私の故郷が誰かの目にこんなふうに見えるとしたら、
それはとてもうれしいことだな… と思ったから。
そしてなにより、この場所に行ってみたい、と思ったから。
ただその想いだけで出会う「石巻」と、何かが始まるだろうか?
そこではどんなヒトたちが、何を必要としているんだろう?
言葉の通じないリチャードが、縁を紡ぐことだけを頼りに石巻にいて、
こんなすてきな秘密の場所に連れて来てもらったりしている。
どうしたらそんな風に、見知らぬ土地に寄り添うことができるのだろう。
私には、何ができるのだろう?
リチャードの次の返事には、こうありました。
「きみがそう言ってくれたことで、この写真が違って見えて来たんだ。
この写真はぼくのものではなくて、石巻の人たちと土地のものなんだ」
そしてその日、偶然にもこの丘の上で毎月11日の14:46に祈りを捧げている
お坊さんと出会い、他の地元の人たちとともに写真を見ていただいたところ、
みなさんが「自分の故郷なのに違って見える」とおっしゃったそうです。
「種を植えてくれてありがとう。育てていけたらいいね」
とリチャードは言った。
その頃こちらではイッコさんたちと、福島の梨農家の方のお話を聴く会を
どのように開催するかの議論の真っ最中で、リチャードにもアドバイスを
もらったりしながら石巻の話も同時にしていた。
そのうちに自分でも、「ここでやるんだな、やりたいんだ」と確信していった。
ビザが切れるからそろそろ帰らないとならないのは聞いていたので、
「今度いつ日本に来るの? 来年のそのときにやろうか」と訊くと、
リチャードの答えは「実は、少しでも早い方がいい」というものだった。
アスベストを含んだ大量の瓦礫の問題、先の見えない仮設住宅のこと、
ともかく行政が「何も動かない」ことから生まれている数々の大問題、
ヒトビトの心に重くのしかかっている停滞感。
その「何も進まない」感じを少しでも解消するために、せめて自分たちは
「いつか」を待たず前に進みたい、動いていたい、
何かが動いているのだということを見てもらいたい、と彼は言った。
エフで展覧会を開催するのは、震災直前の2月のポーレの写真展以来になる。
震災の影響も含め、私の心もずっと動けずにいた。
私にとって、ポーレとリチャードは似ている。
傷ついたヒトたちへの寄り添い方、言葉が通じなくても寄り添える、
たった一人から始めて次第に多くの人を巻き込んでゆく、そのふしぎな力。
アーティストだからこそ越えてゆける、様々な境界線。
それが、私も信じていたアートの力だった。
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これが私にできることの一つだ」と思うことができた。
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彼にもふたたび石巻に戻るために今やるべきことがたくさんあります。
同じ方向を見つめながら、彼は彼のできることを、
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by ginji_asakusa
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