DAY 1:エア旅

銀次親分、箱が増えてますね。
今日から図々しくも一週間のおやすみですよー
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わざわざ小さい方に座ってみるのもいいもんですよね。
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ふと思ったのだけど、小さい場所から体の一部をはみ出させていると、
体が大きく見える。だからわざとなのかな?
大きい場所にゆったり収まっていると、小さくまとまってんじゃねーよ、
って感じなのかなぁ。


夏休み初日、日帰りで長野県は安曇野へ行く予定でした。
が、前夜かられんちゃんの容態が思わしくなく、
出発ギリギリまで看病していましたが改善せず、出発できませんでした。

こちらはれんちゃんを預けることになっていた母に送った
安曇野行き断念のおしらせ FAX。
ざっと描いたれんちゃんが我ながら秀逸だったので保存。
DAY 1:エア旅_a0180681_830517.jpg

というわけで、本日は、行くはずだった安曇野に想いを馳せ、
計画通りのエア旅行をしてみたいと思います。


7:30新宿発の特急あずさで穂高駅まで直行10:44着。

まずは穂高神社にお詣り。
山で有名な土地なのに、海の神さまなんだよねぇ。

駅前の「安曇野ひつじ屋」で自転車を借りる。
カフェメニューも充実だから、なにをいただくか迷うなぁ。

北アルプスは常念岳を望みしゃくなげ線をすらすら西へ。
山麓線に突き当たって北へ。

とちゅう青原寺に美しい蓮の池がある。[写真

猿がいる山の上の「くるまや」(ここは自転車ムリ)で
蕎麦とモツ煮込みは必須。しかし月曜定休なので、
山麓線沿いの「双葉」(しんじさん推奨)で蕎麦。明治38年創業。


安曇野絵本館着。背の高い木立ちに深呼吸後、
Lisbeth Zwerger 展鑑賞。
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観賞後、一階と二階の販売コーナーをうろうろしながら
関連書籍や絵本、画集、ポストカード、版画など
だいすきな美しいものたちをたくさん手にする(見たり、買ったり)。

ハンドドリップのコーヒーをいただき、カウンターや森の中のテラスで
館長夫妻と、2010年2月以来だから、積もる話。

積もりすぎてたぶん終わらないけど、できればお隣の
天満閣」で立ち寄り湯。そう、ここは安曇野温泉郷。
トップページの一番下を見てください。
ここにはクロちゃんという猫さんがおられて、とてもなつっこく
スリスリして、風呂上がりのお肌を毛だらけにしてくれます。

穂高を出る大糸線の最終は 19:26。
ただし最終列車はいろいろ危ないので一本前かな。
あ、自転車なら暗くなる前に駅まで戻った方がいいかな。
崖崩れで大糸線が止まってしまい、日帰れなかったことがある。
それもよい思い出。

館長夫妻とは、1994年以来のお付き合い。
あの夏初めて観たのが Lisbethで、繊細な線と赤色の美しさが忘れられない。
当時から東欧の絵本が好きだったので、Stasis Eidrigeviciusの絵に出会って
仕事を辞めて絵本館を立ち上げた館長、それを支えた奥さまの話に
まだ学生だった私たちは興奮した。
現金も足りずカードも持っていないのに Stasisのリトグラフを買った。
「東京に戻ってから振り込んで。目を見りゃわかる」と信用してくださった。

観光地では、展示してあるのが原画でも版画でもポスターでも
あんまり関係ないヒトたちが多いので、館長にとっては
そこまで「好き!」を表現する若者の存在にとても励まされたという。
「あんときのきみたちはすごい顔で階段降りて来たんだよなぁ」といつも言われる。
あの頃の私たちは、いつも宝物を探して歩いていたから。

エフを始める前にも、メンバーみんなで車で行って、
テラスでたくさんのたくさんの話をした。
いつ行ってもたいがい半日は話している。
泊まり込んでもっともっと話していたことも。
だから、エフの成分には絵本館の成分がずいぶんと混ざっている。
定休日がいっしょなのでなかなか行かれないけれど、
私にとってとてもたいせつな場所、たいせつなご一家なのです。

今日は展示の最終日で、私のような Lisbeth & 館長夫妻ファンが
大勢駆けつけて賑わったそうです。
あなたがいなくて寂しかったけれど、そばにいてあげたい気持ちはわかるし、
私たちは会おうと思えばまたいつでも会えるし、と言っていただいた。

: + : + : + : + : + : + : + : + : + : + : + : +: + : + : + : + :

で、リアル DAY 1 はといえば…

れんちゃんの最後の排泄から一日以上空いてしまった。
母に預けて留守にすることだし、ぜひ出してから行きたい、と
深夜0時からマッサージや排泄環境を整える。
最近調子がよかったし、当然出ると思っていた。
そしてれんちゃんもかなり出したい。
が、出ない。

どうせ6時には出発だから寝なくてもいいや、
さすがにそのうち出るでしょう、と気楽に構える。
が、出ない。
ただ出ないだけでなく、痙攣と悲鳴が始まった。
苦しいのだね…

5:00になってかなり焦る。
れんちゃんは意識も朦朧とし、たまに起き上がるとのたうち回り、
また倒れ、キュウキュウと悲鳴を上げる。
これは…行かれないのかも…
病院は10時から。たぶん、また絞ってもらえば解決する。
呼吸が荒いし悲鳴が聞こえるから、念のため胸の水も診てもらいたい。
母が来るのは9時頃。母の携帯はすでに私が借りてしまったし、
実家の電話はたまたま工事中で不通。
「危ないから至急病院へ!」なんて置き手紙をいきなり見るのは…
イヤだろうなぁ。不安にさせてしまうよなぁ。
っていうか、そうすべきじゃないよな…
ともかく、ギリギリまでがんばろう。
 ・
 ・
 ・
7:30、心の中で泣きながらあずさを見送る。
自転車も、蕎麦も、森も、テラスも、展示も、笑顔も、
全部完璧にイメージできていたのに、「行かない」は想定外だったなぁ。
甘かったなぁ。
眠いなぁ。
8:30、安曇野にメール。

10:00、エフでFAXを見た母から電話。
ハイ残念です…
そしてれんちゃんも自力でしたがっているので
病院にはまだ駆け込んでいません。
10:00に待ち時間なく診てもらえたら、なんとか12:00のあずさで…
とも考えたけれど、時間が足りそうもない。
それに、また絞ってしまうとすべての機能が後退する。
なんとか自力で出させてあげたい。
あずさも行ってしまったことだし、付き合いますとも。
そもそも私のお休みはれんちゃんに捧げると誓ったではないか。


れんちゃんやーい 戻っておいでー
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床で倒れると腰骨や頭をひどく打つので、
ベッド全面におしっこシートを敷き詰めた。
この弱った老体をずっと走らせ続けるわけにもいかず、
でも目を開けたまま朦朧としているので、たまに揺らしたり声をかける。
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ぎゃっ そ、そう? そうなの?(ΩДΩ)
そ、そうだといいナー れんちゃんもね (iДi)
うん、もしかしたら自転車で側溝に落ちて両足折ったりしてたかもしれない。うん。


立ち上がる。
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でもすべての足の先がこのように丸まってしまうのがここ三日くらい。
それでも立ち、走り回り、倒れては立ち上がる。
れんちゃんも、出したくてしかたがないんだよね。
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残念ながら「キリッ」ではなくて、立ったままモーロー中。
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あまりいいものではありませんが参考に、れんちゃんが走るとはどういうことか、
れんちゃんの排泄前行動:マイルド編。
まるで銀さんのように、横になってもハラが盛り上がっていまして
これが膀胱がパンパンの状態です。



ちょいヘビー編。チック症状(部分痙攣)、手足の硬直。


これ以上のはせつなくヘビーなので自粛。
これが15〜30分ごとに延々続きます。

この間に私が何をしているかといえば、足指のマッサージ、
おなかのマッサージ、しっぽの付け根付近のツボ押し、肛門付近の刺激、
倒れるときの補助、ベッドから落ちないように補助、
仰向けにして四肢を交互に引っ張ってエアランニング、
意識を戻すために給水、なでる、抱く、添い寝、などなど。
胸の音にも注意しつつ、どれかは少しでも効いてくれ、と願いながら。


14:30、出たのは意外にも、ンコ。直径2cmある。デカイって…
こういうときのれんちゃんのンコは、肛門の形状を全く無視して
なぜか円盤状というか丸い小石みたいになっている。
どうやったってこの穴から出ないでしょう、というかたち。

そうかー おしっこの不調はデカンコと連動しているのかー
デカンコを排出するエネルギー、もしくは堆積しているプレッシャーで、
おしっこスイッチに支障を来すというわけだ。もうわかったぞ。
さぁ、デカイの出たから、おしっこも続け!

17:00、二粒目のンコ Σ(゚Д゚;) 続いて三粒目 ΣΣ(゚Д゚;)
どちらも直径2cm以上。こんなに続きが控えていたとは…
これだけ動かないと出ないということかー…
もうね、ンコ補助はとっても楽しくなって来た。
あんな大きなモノを、小さな穴から押し出すのは、楽しいよ!
あのね、体を横にしてた方が出しやすいです、お互い。
でもこれ介助なしで出せないね… デカすぎ。
ンコが大きく固まらなくする知恵はないだろうか。
量は同じでも小粒でたくさん出てくれればいいんだけどなぁ。

17:15、ラストンコから10分、ふたりで17時間の格闘の末、
おしっこ出ましたザバーーー 。゚ヽ(゚´Д`)ノ゚。

悲鳴が出るときはほぼンコ関連、とこのたび確信いたしました。
ンコさえ出ればおしっこは続く、の法則も合っています(現在)。
もうね、安曇野と引き換えた巨大ンコ粒も大量おしっこも、
動画や写真で見せびらかしたいくらいうれしかったですね。
17時間待ち望んだお宝ですから。
なんとか思いとどまり自粛しましたけどね。
実際両手が完全にふさがっていてもう一本ほしいくらいなんで、
撮影は不可能ですけどね。

なので記念に窓辺でれんちゃんを撮影。
これがれんちゃんのドヤ顔や(変化ゼロ)。
DAY 1:エア旅_a0180681_20375551.jpg

れんちゃんもすっきり & ぐったり疲れ果て、眠っています。
わかりますかな、おなかがベコンと凹んだの。
皮と骨しかないのです。ベコのすぐ上のふくらみは肋骨です。
計算が間違っていなければ(ンコは測ったことないけど)、排泄のたび、
体重50kgのヒトで 10kgくらいの変動があることになる。
DAY 1:エア旅_a0180681_2038931.jpg

排泄に苦しめられると、ごはんも減らしたくなってしまうけれど
それは本末転倒で、体が支えられなくなる。
食べた分だけふくらみ、出なければ溜まる。
ほんとうに単純明快なことの繰り返しが、命を支えている。


で、今夜はもう絶対に蕎麦と決めておりまして、母と観音裏へ。[こちら
上記の報告を、隠語を駆使してコソコソと。
これだけの世話を、誰かに頼めるわけがない。
同じようにやってほしい、という期待はしない。
でもそれが心臓への負担と直結しているという緊張感はある。
危なそうだったら病院が開いている時間に絞ってもらった方がいい。


エア旅のシメに長野産蕎麦が出れば完璧なところ、本日の蕎麦は
二八が北海道産、田舎蕎麦が岩手産でした。つけとろも。ンマンマ。
お通しの「そばの実のお粥、梅とイクラ入り」がとてもおいしくて
丼で食べたかったです。
DAY 1:エア旅_a0180681_20385589.jpg

調子に乗っておつまみを三品も頼んでしまったので、
蕎麦屋帰りの腹ではないね! とポンポンにふくれた腹を抱えて
境内を歩き、エフに到着。

銀さんが窓際の段ボールで寝てるとこ見られた!
DAY 1:エア旅_a0180681_20403088.jpg

我々に気づいて起きた。
ただいまー
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さて、今夜から自宅に連れて帰ってみます。
れんちゃんをいたわってくださいませね、頼みます親分。

久々に銀さんと自転車ドライブ。荷物が多くて写真は撮れなかった。
着いてまずンコ。いいぞいいぞ。ンコは体の中心だ。

メシ喰って、とりあえず窓辺に落ち着いたホ。
れんちゃんの酸素室用に買った途端、れんちゃんが低体温になって
まるで使わなかった大きいひんやりジェルマットが残暑もここに来て活躍。
DAY 1:エア旅_a0180681_21344165.jpg

銀さんが自宅に来たのはいつぶりだろう。
あぁ、あの怒りジャンプの日か。7月22日。一ヶ月以上前だ。

今回は比較的穏やかなスタート。
れんちゃんハウスの視察に行っても、シャーと言わなかった。
部屋の扉を閉めてれんちゃんにごはんをあげている間も、
ぎゃぁぎゃぁ鳴かなかった。
三匹別々の場所でそよそよ昼寝。おつかれさまでした。

安曇野の美しい光景や空気をお伝えするはずが、
シモの話ばかりでたいへん失礼いたしました。
しかしシモがいかに肝心で、すべての底上げをしてくれるか
私はこの二ヶ月で実感しています。いつか誰かの参考に、なるかなー

私の「行きたいよー!」と
れんちゃんの「生きたいよー!」が
交錯した一日でした。
生きててなにより。ありがとう。



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